Phantom
綺麗で丁寧な扱い 口上手 溢れ出る優しさが苦しかった
仮面を被った私は 彼に気を遣ってしまった いや
彼の事が今も好きだから 言動を控えてしまったのだ
相手の立場を考え 相手の疲れを察して 相手の懐を意識して
自分のことは棚に上げて これが私なりの愛の価値観だった
朝目覚めた時の日差しが 強く眩しく注いでいた
なぜだろう ほころぶことを忘れたように 妙に冷たく感じた
何も温めるな 惰性ならキープするな
何か恨みを持っているのか 何か隠し続けているのか
本情など誰しもが読むことができない
あれからどれだけ愛を感じなくなったのだろう
彼は知っているのかもしれないし 知らないのかもしれない
ただ愛というものを無いままに日常を暮らしているのならば
対等な関係など訪れることはないのだろう